最終更新日:2018/6/8
プレゼンテーションは、何といっても中身が重要です。今回はパワーポイントの技術から少し離れて、話す内容についての基礎的な理解を深めていきます。
プレゼンテーションは、誰かに話すためにあります。そして、相手に分かりやすく伝えようと思うなら、話の組み立てはとても重要です。話が前後して、結局何を言いたかったのかわからないではプレゼンテーションの意味がありません。
話を簡潔にまとめると、おおむねこのような形になります。
起 | 話の始まり | 現状把握 | 現状で起こっている問題の提起。数字的な根拠を交えて話すと説得力が出る。 |
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承 | 話の展開 | 対策の提案 | 問題に対する提案。印象づけが重要。 |
転 | 話の拡張 | 得られるメリット | 取り組みによるメリットやリスク、他との比較など。 |
結 | 話の結論 | 具体的な取り組み | 具体的な予算やスケジュールなど。 |
良くないプレゼンテーションは、現状把握が抜けていたり、構成がアンバランスだったりします。どれも重要ですので、できるだけ同じだけの分量になるよう心掛けるべきでしょう。
よほど特殊な活動でない限り、このような形でまとめると、話もすっきりとまとまり、分かりやすくなります。
プレゼンテーション資料はどの程度が理想かという問題は、おそらく人によるものかもしれません。しかし、そこに一定の基準を設けるのであれば、2分に1枚というスタイルが最も適切だろうと思います。30分のプレゼンテーションなら15枚程度です。
1枚のスライドは、おおむねワンイシューが最適です。グラフは1つか2つ程度です。これを2分で説明をするというのがプレゼンテーションの理想の形です。
資料がこれよりも多くなると、一つ一つの説明がしっかりとできません。プレゼンテーション資料は、あくまでも説明をサポートするためのものですが、次から次へとめくると、逆に情報量が多すぎて話についていけません。逆に資料がこれ以上少ないと、話の内容に深みが出ません。1つの資料をずっと眺めるのは、思ったよりも退屈なのです。
資料のページ数はあくまでも目安ですがこれを基準に構成をまとめると優れたプレゼンテーションが可能です。
これはスピーチでも必要なことですが、人に話を伝えるときは、おおむね1分間に350~400字程度のスピードで話すのが最も良いと言われています。実際に人前で話すと分かるのですが、これ以上早いと、早口すぎて内容があまり理解できません。これより遅い事例は見たことがありませんが、遅すぎると退屈で聞く気がなくなってしまうのは想像に難くないと思います。
1分で話す内容は、おおむね原稿用紙1枚分と考えてください。一度セリフを書いてみて読んでみる、もしくは、自分の声を録音して、文字数を数えてみると良いかもしれません。思ったよりもゆっくり話さないといけないことに気づくはずです。
スピードを調整する方法はもう一つあります。話が一段落したら一呼吸おいて、間を作ることです。間を作ると、相手はそれまでに聞いた話を自分の中で理解しようとします。間を設けて最終的に1分間で350~400字程度のスピードになれば、多少話のスピードが早くても問題なく理解されるでしょう。