最終更新日:2018/7/25
企画書や配布資料などをパワーポイントで作るのは、一見便利そうですが、いくつか不都合もあります。
今回はパワーポイントならではの都合が悪い部分と、それを解消するための事前準備について紹介します。
ページ送りとは、長い文章などを複数のページで表示することです。ワードは文章を書いていけば自動的に次のページに送られますが、パワーポイントにそのような機能はありません。必ず1ページで1つの話が終了するようにしなければなりません。
ここでよくあるのが、文字の大きさを極端に小さくして詰め込むというミス。読みにくい文字の大きさにしてしまっては、本来の「読ませる」という目的から大きく外れてしまいます。
まずは資料として適切な文字の大きさをチェックしましょう。
これが基本です。通常、パワーポイントはスライドの通常サイズである18ptに設定されていますが、これを12ptに設定しておきましょう。
この文字の大きさを維持しつつページ送りに頼らないようにするには、内容を分割して2ページにまとめるか、不要な部分を割愛するかのいずれかです。
ページ送りができないからといって、1ページに無理やり収める必要はありません。見出しに連番を振っておくだけで問題ありません。
古いバージョンのパワーポイントは目次が自動的に作られましたが、現在のバージョンでは、その機能はなくなりました。そのため、目次は手動でつくらないといけません。
この問題を解消するために、あらかじめテンプレートを作ることからスタートしなければなりません。
テンプレートの作り方については、パワーポイント基礎講座 – 自分でテンプレートを作ってみるで紹介している通りです。
ただし、配布資料用のテンプレートを作る場合は注意が必要です。
後述しますが、ページ番号は、基本的に全てのページに表示されます。そして、唯一ページ番号を表示させないようにできるのがタイトルスライドになっています。
そのため、表紙にページ番号を表示させたくない場合は、タイトルスライドを表紙にするという方法を取ります。
通常使うテンプレートにはタイトルを入れておきます。これが目次を作るときのタイトルになります。通常のテキストエリアではなく、マスタータイトルの書式設定でなければなりません。
複数ページにまたがることを考えて、タイトルがないテンプレートも一つ作っておきましょう。
配布資料にはページ番号が必要です。これがなければ目次が作れません。タイトルスライドには必要ありませんが、それ以外のテンプレートにはページ番号を必ず入れておいてください。
目次はパワーポイントの表示機能を使います。
上部メニューの「表示」を選択して、「アウトライン表示」を選択します。すると、左側にタイトルの一覧が出てきます。これをコピーしてメモ帳なりテキストボックスなりに貼り付けるだけです。
このタイトル一覧に出てくるのは、テンプレートで設定したマスタータイトルになります。
スライド番号は、タイトルにカーソルを合わせて、上部メニューの「挿入」から「スライド番号」をクリックすると数字が自動的に挿入されます。
今度は表紙にするタイトルスライドからページ番号を取る設定です。
まずは、上部メニューの「挿入」から「ヘッダーとフッター」を選択します。そして、スライドタブの「スライド番号」と「タイトルスライドに表示しない」にチェックを入れます。
これでタイトルスライドのみページ番号が表示されなくなりました。
ただ、これで終わりではありません。よく見ると、1ページ目のスライド番号が2になっていることがわかると思います。
この設定を変えるのは、上部メニューの「デザイン」から「スライドのサイズ」を選択し、スライド開始番号を0にしてください。
設定項目の位置が分かりにくいですが、慣れれば簡単に目次が作れるようになります。
パワーポイントはレイアウトが自由にできるので、配布資料を作る際に利用する人も多いと思いますが、基本的なページ番号や目次が難点となっています。この2点をクリアして、資料作成時間の短縮を計りましょう。