最終更新日:2016/9/14
目は水晶体というレンズを通して景色の情報が脳に送られます。そして、高齢になるとこのレンズの役割を果たす水晶体に変化が現れます。通常は白く濁ってくることが多く、白内障と言われています。
白内障が進むと目がかすむ、光がまぶしく見える、色がぼやけるなどの症状が起こり、通常人が見る色とは違う見え方をするようになります。
白内障の原因は加齢によるものが多く、逆に言えば高齢者の多くは多かれ少なかれ白内障の傾向があるということです。そのため、高齢者向けに発信する広告には、高齢者に合わせたデザインを心がける必要があります。
注意書きなどはたいてい8ポイント程度で書くのが一般的ですが、高齢者にはそもそも文字として認識されない可能性があります。せめて文字として認識してもらうため、10ポイント程度は欲しいところです。
また、あれこれ情報を入れようとして全体の文字ポイントが小さくなる場合は、思い切って文字量を減らすことも検討するべきでしょう。そもそも高齢者は文字がぼやけて読みにくいので、文字ばかり入っている広告を見たいとは思わないでしょう。
白内障は、よく「黄色味の白いフィルターがかかったように見える」と言われています。黄色のフィルターがかかると、青と緑の色の区別がしにくくなります。青や緑は落ち着いたイメージを出すためによく使われる色ですが、重ねて使うと区別がつかずに混乱する可能性があります。
一般的に、白内障や老眼は光がまぶしく見える傾向があります。そのため、反射が強いコート系の紙は目に刺激が強くなってしまいます。チラシやポスターを作る場合は、反射のないマット紙を使うことをお薦めします。
一般的に、どんな世代にも対応できるというのがユニバーサルデザインの考え方ですが、広告はターゲットを決めて発信していくものですから、ユニバーサルデザインである必要はありません。
高齢者が対象であれば、高齢者のことだけを考えて広告を作ることが何より大切です。